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置きピンという選択をした日

スライディング 写真撮影
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AFを信じていた頃

正直に言えば、私は長い間「置きピンは昔の技術」だと思っていました。

私の周りでは現在起きピンなんていう人はあまり聞きませんが、

「置きピン」とは、動く被写体が通過する位置にあらかじめピントを固定し、被写体がそこに来た瞬間にシャッターを切る撮影テクニック。電車、運動会、野鳥など動きが速い、または予想できる場合に、オートフォーカス(AF)の遅れを防ぎ確実にピントを合わせるために有効。

最近のボディは優秀です。
特にNikon D5のAF性能は信頼できますし、Nikon D3sも十分に実戦で通用します。動体追従も速く、迷いも少ない。

だからこそ、「わざわざ置きピンにする意味があるのか」と当時は思っていました。

被写体を追い続けてくれるAFに任せればいい。
それが合理的だと考えていた頃もあります。

どうしても外す場面があった

ところが、どうしても歩留まりが安定しないシーンがありました。

それは、盗塁のタッチプレーや、本塁クロスプレーのように動きが一点に集中する瞬間です。

走者と野手が交錯し、土煙が上がる。

ユニフォームが重なり、背景も混ざる。そんな状況では、優秀なAFでも迷うことがあります。

ファインダー内でピントが前後に揺れる感覚。
そのわずかな迷いが、決定的瞬間を外す原因になることがありました。

そこで初めて、置きピンを真似してみようと思いました。

「待つ」撮影への切り替え

置きピンは簡単にできます。

あらかじめベースやタッチが起きそうな位置にピントを合わせておき、そこに被写体が入る瞬間を待つ。

これは、私の場合、記事用のコマ狙いでして、

理屈としては単純ですが、実際にやると難しい。

なぜなら、追いかけないから。
これまでの私は、常に被写体を追っていました。

フレームの中で動きを追尾し、AFに仕事をさせる。それが当たり前だった頃。

でも置きピンは違います。
フレームを固定し、構図を決め、そこに入ってくる瞬間を待つ。

撮り方そのものが変わりますが楽しかったりします。他にももっと撮りたいものとかがあればおすすめはしません。

成功率より、写真の質が変わったと我ながらに感じる

最初のうちは外しました。
タイミングが早すぎたり遅すぎたり、思った位置に来なかったり。

けれど、はまったときの一枚は明らかに違いました。

ピントの芯が強い。
迷いがない。
写真が落ち着いている。

AF任せのときよりも、「撮った」という実感がありました。

成功率だけを見れば、劇的に上がったわけではありません。
でも、当たったときの質が変わった写真が撮れた。

置きピンの限界もある

もちろん万能ではありません。

プレーが読めなければ意味がありませんし、予想が外れれば空振りになります。
また、急な方向転換や想定外の動きには対応できません。

だから私は、すべてを置きピンにすることはせず、ここぞという時に使います。

用途によります。

・一点に集中するプレー
・動きが収束する場面
・背景が整理しやすい状況

こうした条件のときだけ使う時があります。

道具として引き出しに入れておく感覚です。

技術よりも、意識の変化

置きピンを試したことで、一番変わったのは技術ではなくて、

「プレーを読む」という意識。

投手の癖、走者のリード、カウント、ベンチの動き。
そういった流れを観察しないと、置きピンは成立しないと思っています。

結果として、試合全体を見るようになりました。
写真を撮るために、野球をより深く見るようになった。

最新機材でも、原点に戻ることがある

高性能なカメラを持っていると、つい全部任せたくなります。
でも、ときには少し不便な方法を試すことで、自分の撮り方を見直せます。

置きピンは、昔ながらの方法かもしれません。
けれど、だからこそ学べることがあると思うんですよね。

古い…と言われることもあるし、起きピンという言葉さえ知らない方もいます。

野球撮影で伸び悩んでいると感じたら、一度だけ試してみてください。
成功率を上げるためではなく、「撮り方を見直すため」に。

その一枚が、自分の癖を教えてくれるかもしれませんよ。

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