野球の試合撮影で一番難しいのは何ですか、と聞かれたら、私は迷わず「球追い」(たまおい)と答えます。
球追いとは、バッターが打った瞬間にボールを追いかけるカメラワークのこと。
テレビ中継では当たり前のように行われていますが、実際にカメラを操作してみると、これがなかなか難しいものでして。
野球のプレーはピッチャーとキャッチャーの間、いわゆるPC間から始まります。
バッターが打つまでは、基本的にこの構図で構えています。
そしてバッターが打った瞬間、カメラはすぐに次の動きに入ります。

打った瞬間にカメラを振る
打球が飛んだら、まずは打球方向へカメラを振ることになります。
野球の打球は速いので、迷っている時間はありません。
バッターが打った瞬間の感覚で、カメラをボールの方向へ振ります。
この動きが遅れると、ボールはすぐ画面から消えてしまいます。
そのため、打球の方向を瞬時に判断することがとても大事になります。
ボールを見つけたらズーム
カメラを振ったあと、次にやるのがズームです。
まずはファインダーの中にボールを見つけます。
そしてボールを確認したら、そこに向かってズームします。
野球の打球は、外野まで飛ぶとかなり遠くなります。
そのためズームを使って、ボールの位置が分かるように調整します。
ただし、ズームしすぎると今度はボールを見失いやすくなります。
そのため、ボールが画面の中で見やすい位置にくるように調整することが重要。
フォーカスも同時に操作する
ここでもう一つ大事なのがフォーカスです。
打球を追うときは、
カメラを振る
ズームをする
フォーカスを合わせる
この三つの操作がほぼ同時に行われます。
野球撮影では、右手でパン棒を操作しながらカメラを振り、左手でレンズを操作します。
私の場合、業務用カメラなので左手の人差し指でズームを調整し、中指や薬指でフォーカスを合わせることになります。
この動きは慣れないとなかなかうまくいきませんが、繰り返し撮影しているうちに少しずつ体が覚えていきます。
左目で打球を見る
球追いで意外と重要なのが視線です。
カメラを操作しているとき、右目はファインダーを見ています。
しかしそれだけでは、打球を見失ってしまうことがあります。
そこで私は、左目でグラウンドを直接見るようにしています。
右目はファインダー、左目は実際のグラウンド。
この状態で打球の方向を確認します。
左目でボールの位置を見ながら、右目の映像でカメラを合わせていく。
この感覚がつかめると、打球を見失うことが少なくなります。

打球を追う流れの手順はこちらのブログも参考になると思います。
球追いは慣れと練習が必要
野球撮影では、ほとんどの依頼で「打球を追ってほしい」と言われます。
野球が好きな方はテレビ中継を見慣れているので、
映像でも自然と打球の行方を見たいと思うからなんですね。
そのため、打球をしっかり追えるようになると、映像の完成度も大きく変わります。
とはいえ、球追いは簡単なものではありません。
今でも高く上がったフライなどは緊張する場面です。
それでも、打球をしっかり追えたときは「撮れた」と感じる瞬間でもあります。
野球撮影の面白さの一つは、まさにこの球追いにあるのかもしれません。
打球を撮る醍醐味、面白さや迫力はこちらの動画でも実際に撮影しながら紹介していますので、ご参考くださいね。




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