「せっかくいい構図で撮れているはずなのに、いつもバックネットがクッキリ映ってしまう…」
そんな悩みはありませんか?
実はこれはカメラの特性によるピントの誤作用が原因。
この記事では、その仕組みと誰でもできる実践的な解決法をご紹介します。
一般的に、カメラのオートフォーカスシステムは、近くの対象物にピントを合わせるように設計されています。
原因と原理
バックネットは、一般的にカメラから比較的近い位置にあっても、遠くにあったとしても、しかも目立つ形状をしていたり、網目が太かったりすると、どうしてもカメラのオートフォーカスがそれを認識しやすく、誤ってその位置にピントを合わせてしまうことがあります。
また、バックネットは多くの場合、撮影対象である選手や球場の背景よりも近くにあったり遠くにあったりと様々。
これが、カメラのフォーカスシステムが自動的にバックネットをピックアップする要因になります。これはオートなので仕方のないことです。
この問題を避けるためには、方法があります。
私は仕事で野球のビデオ撮影をしています。ホームビデオカメラでも解決できる方法があるので是非参考にしてください。
この記事をご覧いただけると網目にフォーカスしてしまう原因を解決できるいいヒントが見つかるかもしれません。結構な方が悩んでおられるようなので、その解決方法を詳しく記事にしてみます。

まず、私が仕事で撮っている場合を参考
業務用ビデオカメラでバックネット越しで撮影する場合
ネットにカメラを近づけて、ネットをボカして撮る方法
まずこれは、業務用カメラだからできることであって、ホームビデオだとメリットが少ないです。
仕事上メリットと思うこと
- 安全性が高い?:ファウルボールからカメラや自分を守れる。ただ、ネット越しに居ても割と真上に上がった場合は、ボールが飛んでくる場合がありますので、完ぺきではないです(笑)
- フィールド全体を見渡せる場所が多い:バックネットからだと中央付近から撮れるため、構図的にバランスがとりやすい。この場合は、バックネットの上の方で撮るよりは、前で撮った方が選手との距離を縮めれるから。ただし、選手やボールを追いかける場合は、カメラの左右の振りが大きくなるので慣れが必要です。
- 三脚を固定しやすい:バックネット前はベンチ横など、安定した撮影ポジションが確保しやすい。バックネットの上も三脚は立てやすいけど、人の往来があるので、ぶつかったりする場合もあるし、何よりもカメラの前を通過したりされる。バックネットの前の最前列は、撮影禁止域でもあるので撮影許可があってこそ撮れる場所。人の往来もなく、前を横切る人もいないので特別な場所ですが、一般の方は無理がある場所でもあります。
色々なデメリット
- ネットにピントが合いやすい:業務用カメラだとあまりオートフォーカスは装備されているものはありませんが、仮にオートフォーカスだと、網にピントが持っていかれるので、結局オート機能は使いません。
- ネットの線がうっすら映る:絞り値(F値)が大きい・小さい問わず、バックネット下からだと必ず映りこみます。特にズームを引くと映り、ズームをかけると距離によっては消えます。ピッチャーのアップであればネットはほぼ消えます。
デメリット対策として
理屈・原理からすると…
- 絞りを開けて(F値を小さく)浅い被写界深度で撮影するとネットがボケやすくなる。
- マニュアルフォーカスを使って、ネットの向こうにピントを合わせる。
- レンズをネットに密着させる(または極力近づける)ことで、ネットをボカす。
これは、ビデオではなかなか難しいですが、写真なら可能です。
バックネットから離れて撮影する場合
(ネットのない場所=三塁側や一塁側、外野から望遠レンズで撮影)
メリット
- ネットの干渉がない:クリアな画が撮れる。
- 構図に自由がある:選手の横顔やスイングの角度など、違った視点で撮れる。
- 背景を整理しやすい:望遠で圧縮効果が出て、背景を整理した絵が撮れる。
デメリット
- ファウルボールが飛んでくる危険性あり:一塁・三塁ベンチ前などは特に注意。
- 遠くなるぶん、望遠レンズが必要:400mm以上のレンズがあると安心。
- 遮るものが多いことも:観客やフェンス、他の選手などで視界が遮られることがある。
ここまでは、ホームビデオカメラで気軽に簡単には出来ないことばかりです。ネットをググるとこのようなアバウトな方法ばかりですが、決して間違いではないです。
動画編集に関して、もっと効率を上げたい場合は、こちらの記事もおすすめです。
では、間違いではない一般的な解決方法
ホームビデオカメラでネットにピントが合ってしまう理由を再確認します。
ホームビデオカメラのオートフォーカスは、中央にある「コントラストの強いもの」に反応しやすい。
ネットはコントラストがあり、しかも撮りたいものの手前にネットがあるとオート機能でがそっちに引っ張られる。
センサーサイズが小さいので被写界深度(ピントが合う範囲)が深い→ネットも背景も両方写ってしまいやすい。

そもそもホームビデオカメラで気になるネット…
皆さんが不便に思っている根本の理由
野球のビデオ撮影で、選手にピントがあってしまったり、ネットにピントが合ってしまったり、これが本来の不便さなんだと思います。
私が伝えたいもっとも簡単な方法は、ビデオカメラのモードを山のマーク「風景モード」にする。
ほとんどのホームビデオカメラには、撮影モードにポートレイトや風景モードがあります。野球を撮影するときは、オートでもなく、ポートレートでもなく、風景モードにするのが正解だと考えています。
× なぜポートレイトモードはダメ?

「ポートレートモード(Portrait Mode)」は、カメラやビデオカメラ、スマートフォンに搭載されている撮影モードの一つで、「背景をぼかして人物を際立たせる」ためのモードです。
このモードは、とても便利なモードですが、野球を撮るのであれば不便な機能です。
このモードは簡単にいうと、人物が主役になるように設定を最適化してくれる自動のモードなので、焦点を合わせた部分以外はぼかすモードです。決して良くないわけではありませんが、このモードだと、網にピントが合ってしまうことがあるので野球には不便です。
◎ どうして風景モードが良いのか

風景モードは「遠くまでくっきりシャープに撮る」ためのモードです。
山や海、建物、広い景色など、奥行きのある風景を撮影するのに最適な設定をカメラがやってくれます。要するに手前側にも、向こう側にもピントが合うこと。機構的に言えばオートフォースが効いていない状態。
この設定にしておけば、人にピントがあったり、ネットにピントがあったり、撮影中に自動でピントがフワフワすることがなくなります。
バットネット越しで撮影するときは、オートフォーカスをやめて、風景モードに切り替えるのが最も効果的です。
オートでピント合わせの機能が働きませんので極めて有効です。
野球編集に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
Q&A よく聞かれる質問
Q. 家庭用ビデオカメラでも効果はありますか?
A. はい。機種によりますが、風景モードや手動フォーカス設定があれば十分に効果があります。
Q. 絞り値(F値)を変えるとどれくらい効果が出ますか?
A. 絞りを開ける(F値を小さくする)ことで、被写界深度が浅くなりネットはボケやすくなります。ただし、撮影環境によって差があるため、練習が必要です。
Q. スマホ撮影でも同じ設定は使えますか?
A. 最近のスマホには「ポートレート」や「風景」モードがある場合もあります。可能なら「風景モード」に切り替えることをおすすめします。

最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「ホームビデオでも使える『白飛び・暗すぎ』を防ぐ露出設定のコツ」をお届け予定。
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