「野球カメラマンのカバンの中って、どんな物が入っているんだろう?」
そんな好奇心、ありませんか?
テレビやネットで見る試合映像は、当たり前のようにきれいに記録されていますが、その裏では「いつでも、どんな環境でも撮れるように」こだわり抜いた道具たちが、ひっそりと鞄に詰め込まれています。
私は年間の約7割を野球の試合撮影に費やしています。高校野球、社会人野球、少年野球まで、炎天下も豪雨も関係なくカメラを構え続ける日々。
今日は、そんな私がどんな現場でも必ず持ち歩く道具たちを、写真とともに紹介します。
予備バッテリー(1個)

電池切れは、カメラマンにとって試合放棄に等しい大失態。
これは過言ではないです。
私が野球用として使用している業務用ビデオカメラは、満充電で約180分連続撮影できますが、野球は何が起こるかわかりません。
延長戦、長時間のセレモニー、試合前の練習風景等々…1つのバッテリーでは心許ない。
実際に昨夏、延長12回までもつれ込んだ試合では、予備バッテリーがなければ9回裏で映像が途切れていました。
重量もほとんど気にならず、安心感は計り知れません。
記録カード(計3枚)

業務用ビデオカメラ用の大容量カード。このカードはフル画質で1枚で約210分の記録が可能です。
基本はカメラに2枚、予備に1枚。計3枚あれば、1日3試合撮影しても容量不足になることは今のところ、ほぼありません。
野球では試合の合間やベンチでの選手の表情など、映像に残すべき瞬間が多い。
記録容量の心配は、現場での集中力を奪う要因になるため、絶対に避けます。
撮影機材選びや編集環境を整えたい方はこちらの記事もおすすめです。
レインカバー(カメラ用雨具)

雨や雪だけでなく、砂埃や湿気からもカメラを守る守護神。
野球場は屋外が多く、天候の変化は避けられません。突然の雨雲も、強風に乗った砂埃も、レインカバーがあれば心配無用。
「降ってから考える」では遅すぎます。
天候の様子を常に気にしながら、いつも携帯の天気アプリで、雨雲を監視しながら撮影しています。
晴天でも必ず鞄に入れて現場へ向かいます。
雨合羽(人間用雨具)

機材が無事でも、撮影者がずぶ濡れでは意味がありませんね(笑)
傘は両手が塞がり、カメラ操作には不向き。
着脱がスムーズな雨合羽は、突然の通り雨でもすぐ対応でき、試合に集中できます。
偏光フィルター

照り返しや反射を抑えるための必需品。
野球撮影には必要ありませんが、取材や商品撮影、プロモーション、などの反射光は映像の敵です。
必要なシーンだけ装着し、映像の見やすさを確保します。
UVフィルター

紫外線による画質劣化やレンズ保護のためのフィルター。
野外で日差しの強い日の紫外線が映像の質を乱します。
映像が滲んだり余計な光が入り込むのを軽減します。
特に真夏のデーゲームでは必須。レンズの「日焼け止め」としても活躍します。
インタビュー用マイク

試合後のヒーローインタビューや監督コメント収録に必須。
野球撮影はプレーだけでなく、その後の「声」も重要なコンテンツ。
1人で撮影から音声まで行う現場では、小型で扱いやすいマイクが頼りになります。
ZC-9Pro(ズームリモコン)

上の写真は、キャノン製・フジノン製8ピンレンズ用のズームリモコン。
ズームリモコンは多種多様でピンキリですが、私はこれが使いやすい。
三脚にカメラを据えたまま、手元でズーム操作が可能ですが、ズームの機能としては使っていません。私の用途としては…
野球であれば、重要なシーンの時にショットマークと言って、撮影しながら映像シーンに付箋を貼るように印をつけることもできます。
どういうことかというと、
撮影後、パソコンに取り込むと、その印をつけたところが一目で分かるようになっています。
撮って出しの編集などに便利で、即座に目的のシーンを見つけて作業が可能になります。

ホワイトバランス用白シート

これはカメラの色味を正確に合わせるための基準色。
どういうことかというと、
野球場の照明や天候は刻々と変わるし、色温度も狂いやすいので、必ずこれで試合前にホワイトバランスを調整します。
この白いシートを使わなくても、白い無地のタオルでも利用可能です。
白いTシャツも無地であれば、それも可能です。
すだれ(よしず)

おそらく一般のカメラマンがほとんど持たない、秘密兵器。
炎天下の野球場では、黒いカメラは驚くほど熱を吸収します。内部温度が上がれば機材トラブルの危険も。
カメラ本体にはクーリングファンも付いていますが、念のため。
カラーのビューファインダーはモノクロよりも熱が出やすいので、あると重宝します。
すだれは直射日光を遮りつつ、風を通す理想的な遮熱材。軽くて設置も簡単。夏の甲子園のような灼熱地獄でも、カメラを守る頼れる味方です。
一度お試しください。これはおススメです。

撮影報道Pressタグ

会場への出入りやベンチ裏取材時に必要な身分証。
高校野球連盟など、その他いろいろな主催元にカメラマンの会社登録をしているので、登録証があれば撮影禁止場所での撮影が可能。
特別な場所でもあるので一般の方は入れません。
また、これがなければ、どれだけ準備しても撮影はできません。
まさに撮影現場へのパスポートですね。
日焼け止めクリーム

炎天下で長時間撮影を続ける野球カメラマンにとって、日焼け止めはまさに「隠れた必需品」。
肌のダメージはすぐには見えませんが、シーズン中、毎日、何試合も撮ると、積み重なると大きな負担になります。
また、特に夏場の野球場は、白いユニフォームや内野の土の反射光で紫外線量が想像以上に多く、油断するとあっという間に日焼けしてしまいます。
夏のシーズンを乗り切るにはこれが必要。
カメラも自分も守る、それがプロの心構えと考えています。
自社名刺

撮影現場には、テレビ局のカメラマンや新聞社の記者など、さまざまな報道関係者が集まります。
初対面の相手に「自分は誰か」をしっかり伝えるためにも、名刺交換は欠かせません。
名刺交換をきっかけに情報交換が生まれたり、次の仕事のご縁に繋がることもあります。
カメラバッグの片隅に、必ず数枚は入れておきます。
全部入れるリュック

このリュックこそが、すべての道具を現場に運ぶ「母船」。(笑)
一見普通のリュックですが、中には現場で即戦力となる道具たちがぎっしり詰まっています。
耐久性と防水性が高く、背負いやすい形状を選ぶのがポイント。
撮影現場へ向かう道中、このリュックを背負った瞬間から「仕事モード」に切り替わります。
Q&A よくある質問
Q. 夏場の猛暑でも「すだれ」は必要?
A. はい。実際、灼熱の撮影現場では温度上昇による機材トラブルを避けるために、とても効果的です。逆に、料理用の海苔巻きすだれ?は逆効果なので注意が必要。
Q. リュックはどのように選ぶべき?
A. 防水性と耐久性、背負いやすさ、さらには複数ポケットがあるタイプがおすすめです。
Q. 予備バッテリーは何個持つのがベスト?
A. 少なくとも1個は必携、できれば延長戦や長時間セレモニーを考えるともう1〜2個あると安心です。
あとがき
カバンの中は、その人の現場経験と哲学の縮図。
今回紹介した道具たちは、「撮れない瞬間を作らないための保険」でもあり、「どんな状況でも撮影を続けるための盾」です。
野球場では、予想外の出来事が日常茶飯事。延長戦、急な雨、照りつける日差し、選手の笑顔。
そんな瞬間を逃さないために、私はこのカバンと共にグラウンドへ向かいます。
さて、あなたのカバンの中には、どんな物が入っていますか?

次回は「プロカメラマンの撮影バッグのパッキング術:効率良く詰める・取り出すコツ」を紹介予定です。お楽しみに!
この記事関するご意見、ご質問などはコメント欄またはお問い合わせからお待ちしております。



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