はじめに
カメラの設定で、最初に壁になることが多いのが 露出補正(EV補正) です。
- なぜ明るくしたら白く飛んじゃう?
- どこまで暗くすればいいの?
- マニュアル露出のときは使わないの?
- 結局「+」と「−」をどんな基準で決めればいいの?
こういう疑問は、写真をはじめたばかりの人だけでなく、
ある程度撮れる人でも「なんとなく」でやっていることが多いです。
でも実は、露出補正の判断ってとても単純で、
実際の現場でもほとんど 3つの基準 しか使っていません。
今回の記事では、その3つをわかりやすくまとめてみました。

そもそも「露出補正」って何をしているの?
まずはイメージから。
露出補正は、
「カメラが決めた明るさに対して、自分がちょい足し・ちょい引きする操作」
のこと。
- プラス → 明るくする
- マイナス → 暗くする
これだけ。
露出補正は、カメラ任せ(P / A / S / オート)で撮る人ほど必須の機能ですが、
逆にマニュアル露出(M)で「ISOもシャッターも絞りも手動」の場合は、露出補正は効きません。
今回はより多くの人が使う A(絞り優先) などを前提に話していきます。
現場カメラマンが実際に使っている「露出補正・3つの判断基準」とは…
白いものは +(明るく)/ 黒いものは −(暗く)
まずはこれだけ覚えればOKというレベルの大原則。
ただ、すべてのカメラマンに該当するとは言い切れません。
白い被写体や白い背景
→ プラス補正
理由は、
カメラは白いものを勝手に暗くしようとする癖があるため。
黒い被写体や黒い背景
→ マイナス補正
理由は、
カメラが黒いものを明るくしようとしてしまうため。
実例
● 白い雪、白い服、白い壁の場合、
→ そのままだと暗く写るので +1.0EV など明るめに補正
● 黒い服、黒猫、夜景の人影の場合、
→ そのままだと明るく写るので -1.0EV など暗めに補正
この法則は、僕も現場で新人スタッフにまず最初に必ず覚えさせることです。
理由は簡単で、
露出補正の失敗の半分は白と黒の誤解から起きるから。

光の方向で決める(逆光=プラス、順光=そのまま)
カメラの露出は「光の当たり方」に大きく左右されます。
逆光(被写体の後ろが強い光)
→ プラス補正
理由は、
顔や手などが暗く落ちやすいため。
順光(被写体の前から光が来る)
→ 基本補正なし
理由は、
カメラが適正に露出を取ってくれやすい。
実例
● 室内で窓を背景に撮る場合 → 顔が暗くなるので → +1.0EV
● 青空をバックに人物を撮る場合 → 顔が暗くなるので → +0.7〜+1.3EV
● 日中の公園で正面から光が来ている場合 → 補正なしでほぼ大丈夫な時が多い
逆光で補正をしないと
「空は明るいのに、人物は真っ黒」
という状態になりやすいです。
これは設定が悪いのではなく、光の方向が原因。
初心者へもこれを教えると一気に失敗が減ります。
明るさの狙いで決める(ふんわり →+ / 落ち着いた印象 → −)
ここが一番写真の個性が出る部分です。
露出補正は設定でもありますが、
それよりも 「写真の雰囲気」 を作るためのツールだと思っています。
ふんわり優しい写真にしたい
→ プラス補正が合いやすい
(+0.3〜+0.7など)
しっとり落ち着いた写真にしたい
→ マイナス補正が合いやすい
(−0.3〜−1.0など)
実例
● カフェでのテーブルフォト
→ ほんの少し+補正で柔らかい印象に
● 夜の街スナップ
→ −補正すると光が締まり、雰囲気が出る
● 花のアップ
→ 少し明るめにすると彩りが軽く見える
この狙いによる補正は、最終的にはすべての人が行き着く部分なので、
早いうちから慣れておくと、写真のバリエーションが一気に広がる可能性があります。
現場カメラマンの露出補正の流れ(実際の思考)
僕がイベント・ロケ・商品撮影などで瞬時に判断している流れは、
1)白い?黒い?
2)光の方向は?
3)どんな雰囲気にしたい?
この順番です。
特に1と2だけで、ほとんどのシーンは片付きます。
新人スタッフも、撮影現場でこの「順番」を繰り返すことで、
2週間くらいですっかりクセになり、判断が速くなります。

露出補正でよくある間違いやすいポイント
「明るくすれば良い写真になる」と思いがち
→ 実は明るくしすぎると白が飛んで、質感が失われます。
黒い被写体で暗くしない
→ 黒は黒さを残さないと、締まりがなくなり少しベタになるときがあります。
補正の量が大きすぎる
→ 基本は ±0.3〜1.0EV 程度で充分。全てがそうだとは言い切れませんが、あとは微調整。
補正した値を戻し忘れる
→ これはプロでもあります。
撮影後に「今いくつ?」とチェックするクセをつけておくと安心。
いざ現場に出てみると、新人で余裕が無いとついつい忘れることが多いです。
露出補正を使いこなすための練習方法
白いものを撮る → 必ず + で撮り比べる
雪、白壁、白シャツなど。
露出補正なし(0EV)
+0.7EV
+1.0EV
これだけでも理解が深まります。
逆光で人物を撮る → 顔の明るさだけに集中する
空や背景は気にしない。
人の顔が適正ならOK。
気分で+と−を変えて、雰囲気の違いを感じる
同じ被写体で、
+0.7EV
−0.7EV
だけでも写真がまったく変わりますのでお試しください。
最後に:露出補正は正解より理由が大事
露出補正って、数字を正しくすることより、
「なぜその補正をしたのか」
という理由が大事です。
撮影する人が、
- 白かったから+
- 黒かったから−
- 逆光だったから+
- 落ち着かせたかったから−
こういう理由を説明できれば、それはもう立派な判断です。
写真は上手い・下手じゃなく、
その人がどう感じたか が表れるもの。
だから露出補正も、
正しい設定ではなく
自分の判断を積み重ねていくと、自然と上達します。
くれぐれも、ぶっつけ本番はせず、必ず練習してから実践に活かしてくださいね。



コメント