ピッチャーを撮るのは難しい。でも、狙える瞬間がある。
野球撮影の中でも「ピッチャーを撮る」のは特に難しいジャンルだと思います。
動作が速く、一瞬でフォームが切り替わる。
止まっているように見えるのは、ほんの一瞬。
しかもどのタイミングでシャッターを切るかによって、フォームの印象がまったく違って見えるんです。
私も最初は何度も失敗しました。
腕が上がる前にシャッターを押してしまったり、逆にリリース後の投げ終わっただけの写真になったり。
そんな中で少しずつ、「投げるリズム」と「動作の流れ」を読むことの大切さを感じるようになりました。
今回は、私が普段ピッチャーを撮るときに意識しているシャッターのタイミングを、できるだけわかりやすくお伝えします。
高校野球を中心に、小学生の試合を撮る方にも参考になる内容です。
投球モーションはリズムで読む
これ、重要です。
ピッチャーを撮るうえで、最初に大事なのは「動きを予測すること」です。
フォームを理解していないと、いくら速いカメラでもタイミングは合いにくい。
まずは数球、撮らずに観察します。
足を上げるタイミング、テイクバックに入るまでの間、そしてリリースまでの流れを頭の中で描いておきます。
このリズムの把握こそが、あとでシャッターを切るタイミングを決める鍵になります。
投球のテンポはピッチャーによって違います。
クイック気味の投手もいれば、ゆったり構えて投げる選手もいます。
なので、最初から完璧を狙うよりも、「何球か見てから合わせる」方が失敗は少ないです。
実際にシャッターを押すタイミング:テイクバックから連射開始
私の場合、ピッチャーを撮るときはテイクバックの入りからシャッターを押し始めます。
使用しているカメラは古いですが Nikon D3s。
このカメラは1秒間に約11コマ撮影できます。
テイクバックに入った瞬間から、ボールがピッチャーの手を離れるまでの間、ずっと連写し続けます。
通常は、テイクバックから投げきるまでは2秒前後で終わることが多いです。
連射が出来ない時、連射をするときのアレコレはこちらの動画が参考になります。

高校野球のピッチャーは動作が非常に速いので、1枚ずつのシャッターでは追いつきません。
連写を使うことで、後で「どの瞬間のフォームが一番きれいか」を選ぶことができます。
特にリリース直前の腕のしなりや、足がしっかり踏み込む瞬間を狙うと迫力のある写真になります。
一方で、小学生のピッチャーは動作がゆっくりなので、テイクバックの半分あたりからでも十分間に合います。
焦って早く押しすぎると、腕が上がる前の「中途半端なフォーム」ばかりになりますので注意です。

上の写真は、0.2秒のところ。
連写と一枚撮り、それぞれの良さ
撮影に慣れてくると、「連写じゃなくてもタイミングで決めたい」と思う方もいるかもしれません。
私も最初は連写ばかりでしたが、経験を積むうちに「1枚勝負」で狙う面白さも感じるようになりました。
連写のメリットは、動きの流れを全部残せること。
失敗しても、どこかにベストな1枚がある可能性があります。
ただし、枚数が多くなる分、整理が大変というデメリットもあります。
一方、1枚勝負の撮影は、タイミングの精度が求められます。
ただその分、「この瞬間を読めた」という満足感があります。
初心者の方はまず連写で動きの流れをつかむ練習をし、慣れてきたらタイミング撮りにも挑戦してみると良いと思います。
シャッタースピードと設定の目安
ピッチャーのフォームをしっかり止めたい場合、シャッタースピードは1/1000秒以上が理想です。
高校野球のようにスピードが速いときは、1/2000秒でもちょうど良いくらいです。
光量に余裕があれば、ISOを少し上げても構いません。
絞りは F2.8〜F4前後。背景をぼかして被写体を際立たせる設定がおすすめです。
構図としては、顔とボール、腕のラインがしっかり入るよう意識します。
ミラーレスカメラの場合は、電子シャッターを使うとローリングシャッター歪み(速い動きが斜めに写る現象)が出ることがあります。
気になる場合はメカシャッターに切り替えると改善されることもあります。

高校野球と少年野球、それぞれの撮影ポイント
- 高校野球:テンポが速い。モーションも力強い。
→ テイクバックの直前で連射開始、1/2000秒推奨。
→ 遠目から狙う場合は、300mm以上の望遠があると理想。 - 少年野球:テンポがゆっくり。動きに間がある。
→ 早押ししすぎず、リリース直前を狙う。
→ シャッタースピードは1/800〜1/1000秒程度で十分。
どちらも共通して言えるのは、「観察」→「リズムを読む」→「押す」という流れが大切だということです。
カメラの性能よりも、自分のタイミング感覚が結果を左右します。
どうしても、どーしても楽に撮りたいのであれば、ミラーレスがおススメです。
ミラーレスの連射は、ほぼ動画に匹敵する枚数なので、良い写真の確率が上がります。

撮れるようになると、ピッチャーの写真は本当に楽しい
ピッチャーを撮るというのは、最初は難しく感じると思います。
でも慣れてくると、投げる前の緊張、力を込める瞬間、そしてリリース後の躍動感が、
一枚の写真の中に「動きと気迫」を閉じ込められるようになります。
ですが、これが難しい。出来る方は持ってるモノ、要は感性が違うから。
私自身も、理想のフォームを撮れたときは本当に嬉しいです。
失敗した写真の中にも、その日のピッチャーのリズムが記録として残る。
それもまた、撮影の楽しさだと思っています。
もし詳しいモーションの流れを見たい方は、私のYouTube動画でも実際のピッチャー動作を交えながら解説しています。
この記事と合わせて見てもらえると、タイミングのイメージがより掴みやすいと思います。

まとめ
- ピッチャー撮影の鍵は「リズムを読むこと」
- テイクバックの入りから連射開始(高校野球)
- 小学生は半分あたりからでもOK
- シャッタースピードは1/1000〜1/2000秒を目安に
- ミラーレスは設定で遅延・歪みに注意
- 理想のフォームを撮れた瞬間が、撮影の最高の喜び
ピッチャーの写真は、瞬間を読む力がすべてと思っています。
何枚も撮っていくうちに、自分の「押すタイミング」が分かってきます。
その感覚を掴めたとき、撮る楽しさは一気に広がります。


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