はじめに
運動会では子どもたちの笑顔、走る姿、ダンスの一瞬にシャッターチャンスが訪れます。
でも「撮ったらブレてた」「表情がちゃんと入ってなかった」なんて経験、ありませんか?
今回は、機材がある程度使える方向けに、でも難しい専門用語は使わずに、シャッタースピードや絞り(背景ぼかし)といった設定を「年齢別・動きの速さ別」に整理してご紹介します。
「なぜシャッタースピードが大事なの?」というところから、「絞りをどう使うか」「望遠レンズとズームのコツ」「練習の大切さ」まで。
運動会前にこの1記事を読んでおいて、当日は安心してシャッターを切れるよう願っています!
シャッタースピードとは?
まず、基本中の基本として「シャッタースピード」の意味を押さえておきましょう。
シャッタースピードとは、カメラのシャッター(光を受ける部分)が開いてから閉じるまでの時間のことです。
この時間が 短いほど 動いている被写体を止めて写せます。逆に 長いと 動きがぶれて写ってしまいます。
ただし、シャッタースピードを速くすると入る光が少なくなるため、写真が暗くなりがちです。
そこをカバーするために「絞り(F値)」や「ISO感度」の調整もセットで考える必要があります。

年齢・動き別の目安シャッタースピード
お子さんがどのくらい動くか・会場がどれくらい広いか・天候がどうかによって適正なシャッタースピードは変わります。以下、目安を整理します。
保育園・幼稚園児くらい
この年代だと走ったり跳んだりすることはあっても、小学生以上と比べると動きのスピード・距離ともにゆるやかです。したがって、シャッタースピードの負担は比較的軽めでも「止めて写せる」ことがあります。
例えば 1/500秒 くらいでも十分対応できるケースが多いです。保育園・幼稚園児くらいであればシャッタースピードは1/500もあれば割と行けます。
もちろん、曇りだったり影の多い場所だったり、望遠を使って離れた位置から撮る場合はもっと速めに設定したほうが安心。実際、撮影ガイドでもこのレベルの動きには1/500~1/1000秒あたりが目安。
小学校くらい
小学生になると、徒競走・リレー・ダンス・組体操など、動きの速さ・範囲ともにグンとアップします。特に走る場面では一瞬の動きが速く、背景も広く写る場合が多いため、シャッタースピードも速めが安心です。
目安としては 1/1000秒 もしくはそれに近い値が「安心して動きを止める」設定としておすすめです。小学校になるとやはり動きが早くなるので1/1000は必要な場合もあります。
走るシーンでは「1/1250~1/2000秒」を推奨。
中学校・高校になると
この段階になると、動きの速さ・技術(走る・跳ぶ・動き回る)・会場の広さ(グラウンドの奥の方)など、いろんな条件がハードになります。いわば大人と同じ速さで動くこともあります。
ですので、シャッタースピードとしては 1/2000秒 近くを視野に入れておいた方が「ブレないで写せる確率」が高まります。もちろん晴天+良いレンズ+明るめのレンズであればですが。
走るシーンでは1/1250〜1/2000秒くらいで。
絞り(F値)と背景ぼかしについて
シャッタースピードと並んで設定を考えたいのが「絞り(F値)」です。
絞りを開く(F値を小さくする)とレンズを通る光の量が増え、背景がぼけて、被写体(お子さん)を際立たせることができます
ただし、絞りを開くと 被写界深度 が浅くなります。
つまり「ピントが合う範囲が狭くなる」ので、動く子どもに対して「ピントを合わせ続ける」ことがより重要になります。
絞りを開くメリット
- 背景がぼけて、被写体が浮き出るように写せる
- シャッタースピードを速く設定しやすくなる(明るさを確保しやすい)
絞りを開くことの注意点
- ピント合わせが難しくなる(浅い被写界深度)
- 望遠レンズ+開放F値という組み合わせだと、被写体の顔や目にピントを合わせ損ねるリスクあり
- 動きの速い被写体には、少し絞って(F値を大きめに)若干ですが被写界深度を広げる選択もあり
例えば、
晴天・屋外・走るシーンなら「絞りF4~F5.6あたり+シャッタースピード1/1000以上」がバランス良い設定という考え方もあります。

望遠レンズ・ズーム・撮影位置のポイント
設定以外にも、撮影結果を左右するのが「レンズ(ズーム)」「撮影位置」「構図」です。
ここも初心者がつまずきやすい所なので、押さえておきましょう。
ズーム・望遠の使いすぎに注意
ズームを使い過ぎたり、追いかけ損ねてファインダーから見失う原因にもなります。
ズームのし過ぎは控えた方が良いです。
少しだけ控えめに、がおススメです。これは撮影現場で本当に感じることです。
望遠レンズ(例えば200 mm以上換算)は、遠くの被写体を大きく写せるメリットがありますが、デメリットもあります
- 被写界深度がさらに浅くなり、ピント合わせがシビアになる
- 手ブレ・カメラブレが起こりやすい(シャッタースピードが速くても望遠+手持ちは揺れやすい)
- 被写体をファインダーで追いやすい位置にいないと見失い、が発生しやすい
慣れない方は、グラウンドが広い場合は200〜300mm以上の望遠が欲しい…などよく聞きますが、初心者・慣れていない方は、控えめなズーム域+構図を安定させる方が安心です。
撮影位置と事前チェックの重要性
どこで撮るかで、写真の見栄えも成功率も大きく変わります。
子どもがどのコースを走るか・どの位置でダンスを始めるか・観客席から見える位置はどこか、などを事前にチェックしておくと安心です。
ただ、学校などでは保護者の撮影場所が限定されている場合があります。そのような場合には、手持ちでは慣れないとブレますので、一脚がおススメです。
三脚は場所を撮るので他の方に迷惑がかかる場合があります。
また、望遠レンズを使うと距離があることが多いため、どの角度からどのタイミングでシャッターを切るか、イメージしておくことも大切です。
カメラ設定のまとめ(初心者向け+もう少し踏み込み)
ここまでのお話を踏まえて、「こんな感じで設定すれば安心」というまとめです。
- 撮影モード:初心者は「スポーツモード」「動体モード」が安心。慣れてきたら「シャッター優先(Sモード/Tvモード)」でシャッタースピードを自分で設定。
- シャッタースピードの目安:
- 保育園・幼稚園レベル → 1/500秒あれば多くのシーンでOK
- 小学校レベル → 1/1000秒あたりを目安に
- 中学校・高校レベル → 1/2000秒に近づけると安心
- 絞り(F値):背景をぼかしたいなら開放(F値小さめ)、でもピントを安定させたいなら少し絞る(F値少し大きめ)
- ISO/明るさの補正:晴天ならISO低め(例:100~400)、曇り・日陰・屋内ならISOを上げて対応。あまり高くしすぎるとノイズが目立つのでバランスが大切。
- AFモード(オートフォーカス):動く被写体には「AF-C/コンティニュアスAF(動体追尾)」を使うとピントが外れにくい。
- 連写モード:動きのあるシーンでは連写を使って、数枚撮ってベストショットを選ぶのが王道。
- 記録メディア・準備:連写を多用すると記録カード(SDカードなど)やバッテリーの準備が重要。「書き込み速度が遅いカードだと連写が止まる」こともあるので、予備も含めて用意しておくと安心です。
撮影現場で覚えておきたい失敗しないコツ
撮影を仕事にしているカメラマンも失敗はあります。
何枚も撮って良い写真を決める、というのが通常の考え方です。
なので、設定を整えた上で、現場でちょっと気をつけるだけで写真がぐっと良くなるコツをいくつかご紹介します。
- お子さんがどこに立つか・どこを走るかを事前に聞いておく → ベストポジションを確保しやすくなります。
- 望遠に頼りすぎず、少し引きの構図も撮る。遠くからだと顔が小さくなったり、他の子と重なったりしがち。
- シャッターを押すタイミング:「ぴょん」と跳んだ瞬間、「フォール」している瞬間、「腕が振り出しに入った瞬間」など動きのピークを狙うと躍動感が出ます。
- 背景を意識する:背景がゴチャゴチャしているとお子さんが埋もれてしまうことも。絞りを開いて背景をぼかす、あるいは構図を少し変えて背景を整理するのも大切です。
- カメラを準備しておく:バッテリー満タン、記録カード空き容量あり、レンズきれい、メニュー設定済み。運動会は撮影チャンスが限られているので「準備できてない」ことが悔やまれます。
- 練習しておく:当日いきなり設定をガチガチにすると焦ることも。事前に公園などで動く被写体(子ども・ペットなど)を撮って練習しておくと安心です。
天候や会場条件による調整
晴天だけが運動会ではありません!
曇り、雨上がり、影の多いグラウンド、屋内の体育館など、条件が変わることもあります。そのときは以下を参考に調整してください。
- 光量が十分 → シャッタースピードを速め(動きを止める優先)
- 光量が少ない(曇り・影・屋内) → シャッタースピードを少し下げる/絞りを開く/ISOを上げる(ただしノイズに注意)
例:「曇天時:ISO400、シャッタースピード1/500秒、絞りF5.6」などといった調整例あり。 - 会場が大きくて距離がある → 遠くが撮れる望遠レンズが必要、ズーム幅を控えめにして被写体を追いやすく
- 体育館・屋内の運動会 → 光量が少ないので「望遠+速いシャッタースピード」がとても難しくなります。上記のように設定だけでなく明るいレンズ高ISO対応カメラを検討する価値あり。
※室内の運動会は急に撮影レベルが上がります。初心者の方はかなり難易度が高い撮影になります。
室内の運動会は本当に(笑)大変です。
私が休みの日、撮影のスキルアップのためにやっていることを紹介していますので、ぜひご覧ください。
よくある失敗とその対策
最後に、「撮ったけど失敗しがちなこと」とその対策も挙げておきます。
- 被写体がブレて写ってしまった → シャッタースピードが遅すぎる可能性。まず1/1000~1/2000秒あたりを目安にしてみましょう。
- 背景ばかり目立って子どもが目立たない → 絞りを開いて背景をぼかす/被写体をもっとアップに構図変更を。
- 顔にピントが合っていない・目がぼけている → AFモードを「追尾/コンティニュアス」に設定/ピントを子どもの顔(特に目)に合わせる習慣を付ける。
- 望遠で撮ったらフレームから子どもがはみ出した/迷子になった → ズームを控えめにする/構図を少し引いておく/被写体の動きを予想して早めに撮り始める。
- 連写が途中で止まった/カード書き込みが追いつかない → 高速書き込み対応のSDカードを使う/撮影前にカード容量を確認/予備カードを用意。
まとめ
いかがでしたか?
撮影技術を完璧にするのは簡単ではありませんが、
今回の設定・コツを知っておくだけでも、「あれ、動きが止まらなかった」「あの瞬間が撮れなかった」という悔いをかなり減らせます。
ポイントをもう一度整理すると…
- シャッタースピードを速めに設定(動きに応じて1/500~1/2000秒)
- 絞りを開いて背景をぼかす&明るさを確保する
- AFモード・連写モードを活用して動きのある子どもをしっかり捉える
- 撮影位置・ズーム・構図を事前に考える
- 天候・会場条件に応じてISO・絞り・シャッタースピードを柔軟に調整
- 準備を入念に(レンズ・カード・バッテリー・事前の練習)
運動会は一瞬の連続。
子どもたちの輝く瞬間を「きれいに」「思い出として残るように」撮影できれば、撮った後も何度でも見返したくなる宝物になります。
ぜひ次の運動会では、カメラを構える手元に「シャッタースピードをどうするか」の意識を持って臨んでみてください。





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